僕が京都の上京区に住むようになって早20数年。僕は生まれが滋賀の大津市なのでいわゆる「京都人」ではない。
よく分かんないけど、京都の人は滋賀県の話なんか絶対にしないし(よく言われるように大阪の話だってしないのだ)、僕も故郷や家族のことをあまりよく思っていないので、便宜的にここを「地元」だと思うことにしている。そう思うと両親にはとても申し訳ないのだけど。
子供の頃、何度かもちろん京都に遊びにきてはいたのだけど、本腰を据えるようになったのは大学からだ。京都の大学に通っていたからいたしかたない。しばらくは実家から通い、あるときから大学に近いアパートから通うことになり、そのうち今の奥さんと暮らすことになり、そのまま結婚してしまい、なんだかんだで家を建てることになってしまった。よくある話だ。
てなことで僕は京都人ではないので、これから言うことはあまり説得力はないかもしれない。
なんとか「京都」に関する音楽をパッケージ化できないだろうかと思っている。そう思ったのは音楽仕事で「京都」というテーマがとても多かったから。地元でさえそう言ってくるわけだから、これだけ観光客が押し寄せるこの地には何らかのマーケットがあるんだろうなと。こういうのはね、住んでると分かんないもんです。
というわけで曲をいろいろ構想してますが、やっぱりイメージされるところの「和」みたいなもの、これをどう処理するかがけっこう難しい。琴とか笛とか太鼓とか入れてそれっぽいスケールでやればまあ簡単にそうなるわけですが、だから何なの?って感じになってしまう。音色に流れるとよくないなと。
結果的にはまあそういう音色は使う訳だけど、問題はやはり「何を描くか」。ロケーションとかもあるんだろうけど、僕はやはり「気配」だと思う。「気配のBGM」という感じ。
なのでまあ結局は何を切り取るか、ということになるのかな。ただ日常的に生活している場所なだけに、客観性を持って眺めるというのはとても難しい・・・
以下はこの企画の発端になった曲。某伝統文化系のお客さんのイベントのために書いたものでそのときは「おもてなし」みたいなのを音にできないかなと思っていた。「何かを待つ」みたいな感じですね。さて、ほんとにアルバムとしてまとまるかな〜。