六道まいり

録音の重要なところがあらかた片付いたのでふら〜っと六道まいり(六道珍皇寺)へ。僕が京都で最も好きな催事である。観光客がほとんど来ない、地元のひっそりとした行事なのもいい。

たまに行くんだけど、周囲のなんというかアトモスフィアに圧倒されるというか、やはりこの寺の伝説「この世への出口(あの世への入り口ではないらしい)」というのになんともそそられる。

参拝の中の一つ、迎え鐘つき。何故か鐘が見えないようになっている

この寺だけでなく、周囲一帯はかつては埋葬/風葬の地であったことはよく知られている。『鳥辺野」という地名で字面はきれいだけど鳥が死人を食べる、というところからついた地名らしい。

なので今でも独特の「禍々しさ」を感じる場所である。近くには祇園など華やいだ場所があるけど、実はそういう土地なんだよな。なんでああいう歓楽街に発展したのかはよく分かりませんが。

最後に塔婆を地蔵尊の前に納める

六道というのは仏教用語であの世の道のことを指す。この辺は絵図にもなっているので見たことがある人も多いかもしれない。そのあの世とこの世の結節点と言われるのがこのお寺であるらしい。冥界への入り口という、その辺のダークネスな感じは十分に感じ取ることができる。

イカニモな話だなと思えるのがこの寺に伝わる小野篁の話である。平安時代の政治家だが、インテリで相当な変わり者だったらしく、何故か昼間は普通に勤務し夜はこの寺の井戸を伝って閻魔に会いに行ってそっちで仕事していたらしい。もちろん後付けの大ボラ話だろうけど、この話は室町時代には定着してたらしいから、よっぽどインパクトのある逸話だったんだろう。

一杯300円

境内には「冷やし飴」という昔ながらのドリンクが販売されている。実は初めて飲んでみたんだけど、ダダ甘くてちょっとジンジャー風味。飴というのは昔はすごい栄養源だったんでしょうな。

またこの地域には「幽霊子育て飴」というのも販売されている。この謂れもなかなかダークだが、どういうものなのかはこのあたりを参照。以前はお寺の前にも売っていて、それが独特の不気味さがあってよかったんだけど、現在はなくなってました。

寺の西の方に一軒だけ子育て飴を売っているところを見かけた

この催事をモチーフとして作った私の曲でずばり「Rokudo」というのがあります。もう10年くらい前になりますが、ぜひ聴いてみてください。こういう曲が合う場所です。

Kyoichiro Kawamoto · Rokudo


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