5thアルバム曲解説(後半)

6. Summer 1994

この辺から夏です。ギターと弦を絡めるという点では2曲目に似てますね。これは夏編。こんな風にクラシックギターを弾いたのは初めてかもしれない。ぼんやりした子供の頃の海水浴のイメージ。「夏休みの日記」みたいな。1994年の夏にとくに意味はないんですがw 

7. Water Tales

昔所属していたサークルの先輩がSNSで水琴窟の音をアップされていて、妙に音楽的だな〜と思って一緒にキーボードを弾いたらはまったので曲にしちゃったという曲(使わせていただきありがとうございました)。確かキーがDではまったのかな。こういう楽器じゃない自然に近い音でキーを意識したのは初めてかもしれない。こいういうセッションは楽しい。

8. Under Capricorn

秋の夜空。前半でプリペアドピアノの話を書きましたけど、これはそのギター版。通販で何か買うと箱にウレタンの緩衝材が入ってるじゃないですか。あれを弦に挟んで録音したもの。なんか見知らぬアフリカの楽器みたいな音になって面白かった。イングリッドバーグマンが出ている映画のタイトルにもなっていますが、見知らぬ土地で見上げる夜空って感じかな。

9. Solstice

そして冬。晴れてるんだけどすごく寒くて、夜が来ない、みたいな。きっかけとしてはアリアスター監督の「ミッドサマー」って映画。あれを見てああいう世界観を描けたらなと。ずっと夜が来ない世界って気が狂いそうだけど、その明るさは僕たちが思う明るさとはきっと違うと思う。

10. Amnesia

歳とるといろんなことをいい意味でも悪い意味でも忘れていきます。まあでも人生そういうもんだよな、みたいなことをぼんやり考えていて書いた曲。という曲。こういうどマイナーな曲って(実は)あんまり書かないので新鮮でした。弦のアレンジが結構気に入ってます。

11. To Helen

愛する人が先に亡くなったら僕はどんな言葉を紡ぐだろう、ということをずっと考えていて、そういう感覚って音にならないかなと思って書いた曲です。タイトルはエドガーランポーの詩のタイトルから取りました。ポコポコ鳴ってるバックでボワ〜っと鳴っている音はボリューム奏法のエレキギターにディレイを通したもの。


ということで曲紹介終わり。前編はこちら

書いてみて思ったことは、昔から音楽的な衝動で音楽を書く、という感覚が僕にはほぼなくて、それ以外の起点みたいなのが必ずあるということ。

それは風景や印象、色、映画、絵画、ふと思ったこと、昔から考えていることなど本当にさまざまなんですが、聴いていただいた人はまた全然違うものが見えるみたいで、それが「抽象」ということなんだなと。

今後はもっと実験的になるかもですが、それが僕から素直に出てくるものであれば、きちんと肯定してやっていこうと思う次第です。

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