ロードミュージック的曲のつくり方

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ふと気がつくと3月。恐ろしいことに誕生日も迎えまして、歳だけは無駄に食いますね。食わなくてもいいのに。

京都をテーマにしたコンセプトアルバムは粛々と制作を続けています。今年初めくらいかな、まったくアイデアが出なくなって焦りましたけど、ひとつのことを考え続けるとアイデアって出てくるもんですね。なんとなくビジュアルが出てきて、今はそれに乗っかって曲を書いている途中です。前にも書いたんだけど、今の僕の作り方は「絵」先行なんです。曲先行とか詞先行とかありますけど、「絵」先行です。

つまり、頭に描いたビジュアルに曲をつけるという作業で、僕的には「脳内サントラ」と呼んでいますが、今のところこのやり方がしっくりくるようです。逆に言うと絵が浮かばないとさっぱり曲が作れないという、非常に恐ろしいメソッドでもありますが、アルバムの曲数ぶんはちゃんとビジュアルが出揃ったので今のところは一安心。

ただ、今後どうするか、というところでいくと本当にさっぱりなんです。何をテーマにしていいか全然わからない。漠然とはもちろんあるんだけど、明確なものがない。なぜなら今まで「場所」的なものがモチーフになってるんですね。むかしで言うとバリ、今は京都。つまり「旅」的な考え方だと思います。ロードムービーというか、ロードミュージックといえばいいのかな。ここではないどこか、での経験であり、印象を元にするという。

であるとするならばじゃあ「どこ」なんだということになってしまう。長らくバリをモチーフにしてきたけど、簡単にいうとちょっと飽きちゃった^^ というか前作った「Life to Come」というアルバムでけっこうもう自分としてはその「ロードミュージック」的には考えられるだけ考えた、という感じもあって、不遜ながらたぶん同じ作り方をしてもあれ以上のものはたぶんできないだろうと。

今までいろいろな国を旅してきましたが、今のところぴんとくる場所がない。なんとなく近いのはイギリスかな、やっぱり。しかも北のほうのね。スコットランドとかいいかもしれないとか思ってたんですけど、恐ろしく暗いものができそうだと^^ いろいろ考えてるとそういやアメリカって行ったことないなと思いまして。

今まで行かなかったのはたぶん国としてまったく惹かれなかったせいもあるだろうし、何よりジャズもブルースも、ヒッピーもビートニクも、ポップカルチャーもアメリカ文学も、みんなが影響受けているカルチャーがまったく僕の文脈にないんですよね。この歳になって「なんでだろう?」とふと思い始めまして。

で、唐突ながらアメリカに行ってみようと。ものすごくステレオタイプですがとりあえずニューヨークとLAを見てきます。その「合わなさ加減」を実感するのもいいかなと。ソウルが意外に良かったように合うかもしれないし。そういえばソウル、もっかい行きたいですね。

で、遅まきながらアメリカ文学を読み始めています。ありきたりだけど、カーヴァー、オースター、ポールセロー、コーマックマッカーシー等々・・・音楽はやっぱり肌に合わないので聴いてないけど。ジャズをちゃんと聴くべきなんだろうけど。

でもたぶん、アメリカをテーマにしたものは作らないと思います。ただ、なんらかのエクスペリエンスはあるはずなので、そこから出てくるもの、あるいは出てこなければ違う創作手法を模索するべきだと思うかもしれない。というまあ自分に対して揺さぶりをかける時期なのかな、と思った次第。



以下は京都コンセプトアルバム「コトオト」(と暫定的に名付けてます)で制作中の曲。「水」をテーマにした曲です。ざっくりしてますが。京都って実は水がベースメントにある土地なんですね。最近そう思う。イメージは梨木神社。御所のそばのしぶい神社ですが、「染井の水」といって、ここの水は格別です。