ということで4thアルバムリリースです。
以前にも書いてますが、京都をテーマにしたインストアルバムで、方向性としては一連のガムランものと同じで「風景や気配に音をつける」という、一種のサウンドトラック的なやり方。手法が同じ、ということですね。そういう手法を総括するようなタイトルってことで「想」と名付けました。
京都を音にする、というのは得てして分かりやすい「和」に陥りがちですが、なるだけあざとくならないように、とは思ってました(自分が思ってるよりあざといかも、ですが)。そういうコンセプト柄、ひたすら地味。というか派手になりようがないですが、作りながらやっぱりそういう土地なんだろうな、と思ったりして。
制作期間はブログを見ると2014年くらいから考え始めてるので実質2年くらい。というより、前のアルバムの「For」の時にこれは違うコンセプト用だなと思って先送りにした曲とか、あるいはいつかそういうコンセプトがある時に追加しよう、みたいな曲もあったので、足掛けでいうと数年以上かかってると思います。
発端は何かと言うと1曲目に入っている「Waiting for the Air」という曲。これは某イベントのために書いた曲で、その時仕事で京都をテーマにした曲をいろいろ書いていたので、これはまとめることができるんじゃないかなーとほんのり考えてました。でもやっぱりなんだかまとまらなくて、その間にガムランやったりしてたので、ようやく今になったというわけです。
なぜまとまらないかというと、やっぱり住んでる場所だからというのが大きいと思う。憧憬、という考え方だと簡単なんだけど、日々のリアルなことがあるわけだし、なんで住んでる場所のことを音にする必要があるのか、みたいなことも思ってたし、かといってあざとくなるのもヤだしとか、いろんな葛藤がありました。この辺がガムランとの大きな違いかと思います。
でも矛盾するようですが「何かできそうではある」という感覚がずっとあったんだと思います。それは衝動としては大事なことですよね。なのでその感覚を大事にしつつ。何度も挫折しかけましたが、ようやく、というか。
作り方としては相変わらず一人で、受験勉強のようにちくちく机に向かう感じで^^ 本当は随所で出てくる琴とかチェロとか、そんな楽器を弾く人がいれば一緒にやりたかったですが。
唯一コラボしたのがアートワーク。ジャケットについてはそれっぽい京都の写真を使えばたちどころにそれっぽくなるんですけど、それだとホテルのサイトみたいになっちゃうので、もっと純粋にグラフィックで表現できないかな、と思っていて、思いついたのが昔からデザイナーとしてお世話になっていた佐々木まなびさんでした(裏具というステーショナリーショップのデザイナーさんとしても有名です)。この方も京都の感覚の表現をずっと追求されてる方なので何か面白いものができるんじゃないかと思ったんです。で、お願いしたら快諾していただいて。嬉しかったです。
まとまる寸前のデモを聴いてもらって今回のになったんですけど、彼女曰く「境界のあいまいな感じ」なんだそうです。僕はそれはあまり意識しなかったのであーそんな風に聞こえるのか、と改めて思ったり。最初デザインのラフを見たとき「現代の水墨画みたいだなー」と思いました。意図しなかったですが、これもアリかもと。
それでその風合いというんですかね、それを生かしたくて今回はプラスティックのケースじゃなくて紙ジャケットにしています。なのでデジタルストリーミングなご時世ではありますが、ぜひCD版でお聴きください。
CD版はアマゾンのほか、ストア.jpというところでも販売中。こちらは僕が発送しますので手作り感満開です^^ デジタル版はiTunesほかAmzon MP3などが有名どころですが、その他のストリーミングサービスでも聴けるんじゃないかと思います。曲紹介はまた改めて。
試聴は以下より。
ご購入は以下より。
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Kyoichiro Kawamoto
Kyoichiro Kawamoto 2016-06-20 |