僕なりのクックパッド活用法

1379247_10151970342523664_2061819966_n奥さんの帰りが遅いこともあり、最近、晩ご飯をがんばって作っています。
(←の写真は最近作った「なすの南蛮炒め」)

今までも料理をしなかったわけではないですが、どちらかというとパスタとかカレーとかガッツリしたものが多かったんです。最近中年になって太りやすくなってきたこともあり、野菜中心に変えていこうということで改めて始めています。

 
◎ 料理とはすなわち、サステイナブルな作業

料理をする上で気をつけるポイント、それは

  • 何が食べたいか

がもちろん基本なのですが、料理をすると分かってくるのが

  • 今、家にどんな食材があるのか
  • 季節的に何がおいしいのか
  • スーパーに欲しいものが売っているか

ということです。これが把握できないと料理を続けるのは難しいです。

特に野菜料理は季節によってうまいものが違うし、意外と使い切るのが大変(要するに余るのでそれを次どう使うか)、さらにレシピをこれ、と決めてもその食材がリアルタイムに売っているとは限らない。

恐らく料理が楽しいのもこのあたりであり、同時にものすごくめんどくさい部分なのではないかと思うわけです。簡単にいうと循環というか、サステイナブル(持続的)な作業だということ。

料理が上手な人だとその辺は感覚的に分かっていて、いわゆる残りや、スーパーの特売を使ってぱっと何か作っちゃうんだと思いますが、それはかなり高度です。


◎ やはり現時点での最強ツール、クックパッド

なので、一応

  • きちんと食材が揃ってないと無理
  • レシピがないと作れない

という僕のような初心者が料理を続けるコツをひとまず書いてみましょう。

やはり兎にも角にもクックパッド。中には「え?」というのもありますが、これを使う理由、それは

  • 淘汰されたレシピが載っている=失敗が少ない

ということにつきると思います。クックパッドにはレシピを「人気順」でソートする機能があって、これが重要なんです。どういうことかというと、人気がある=同じレシピを何人もの人が作っている、ということなので、イコール失敗が少ないレシピ、というわけ。

おいしいんだろうけどレシピが難しい、とか食材がレアで手に入らない、などはいくらおいしくてもハードルが高いし、さっきの「サステイナブル」に反する^^ まずはこれが大事なポイント。

続いてのポイント。

  • スマホアプリがある=外で見られる

ことです。これはさっきのセオリー、「スーパーに欲しいものが売っているとは限らない」につながります。
つまり現場でレシピが変更できる、ということですね。例えばナスを買いに行ったとしましょう。ところが「売っているけど高いし鮮度もイマイチっぽい」ということがよくあると思います。
であれば、買えるものと家にあるもので作れるレシピをそこで探せる、ということ。代わりにピーマンがおいしそうだったのでその場で食材名を打ち込み、作れそうなものにチェンジする、というわけ。

作るまでの流れとしてはこんな感じ。

  • 家の食材をチェックする
  • クックパッドにメインの食材を打ち込んで、大体1~3位くらいのレシピのどれかに絞る
  • 足りないorメインとなる食材を買いに行く
  • もしなければその場できそうなものにチェンジする
  • 作る

という感じです。もうずっとこの繰り返し。たまに食材チェックを忘れて、だぶったりするとショックですけどね。。。冷蔵庫の食材をカメラで撮って送信してくれる冷蔵庫があるらしいですが、めっちゃ高いらしい。


◎ クックパッドの問題点

問題点としては

  • 人気順で見るにはプレミアム会員にならなければならない
  • クックパッドだけではもうひとつ季節感が分かりにくい

ということでしょうか。プレミアム会員は294円/月かかります。まあ安いですけど、男子でしかもオッサンが入会するのは敷居高いですよね^^ でも無料版にない検索ができたり、レシピが死ぬほど保存できるので、料理をやっていくなら入っていて損はないです。

無料版でもできるみたいですが、MYページが持てて、例えば作ったレシピを作者に送ったりできるなど、モチベーションを維持できる機能があったりするので、この辺も重要です。

ちなみに僕のMYページはこんな感じ。まだ自分のレシピはないですが、今まで作ったレシピを載せています。あえて本名登録^^

あと、季節感もそれなりにサイトには反映されているのですが、サイトでは大枠がつかみにくいというか、イメージがしづらい。これについてはやっぱり雑誌がいいと思います。

いろいろ見ていて良かったのはやはりNHK「きょうの料理」。定番です。

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いわゆるNHKテレビテキストというやつですが、本だけでも見る価値あります。おしゃれな料理はないですが、その時々の季節に応じた基本的な料理が多数紹介されているので、作らなくても眺めているだけでも勉強になります。

そんな感じで、ガンバリマス。

ポールマッカートニー@京セラドーム大阪

オフィシャルトレイラー

行ってきました。11年ぶりの来日らしいです。
知人に言わせると僕とポールマッカートニーというのはあんまり繋がらないらしいのだが、ビートルズは実はけっこう高校時代から聴いていたのです。なのでポールというよりビートルズですね。そういう人は多いでしょうな。

ビートルズの一部の楽曲は古いジャズナンバーのようにスタンダードになりつつあるし、その大半の曲がポールによるもの、そしてポールご自身のお歳などを考えるとやはりここは今、生で見とかないと、と思い立ったわけです。
てなことで、ポールの熱心なファン、てわけではないですがライブレビューしてみます。

今回の「OUT THERE」というツアーは今年の5月にブラジルで始まったものらしく、日本は終盤?なのかな。今回のジャパンツアーの公式サイトによると、直近でもおびただしい数のライブをやっていることが分かる。しかしこの人、70歳オーバーですよ。ちょっと信じられない。

僕が行ったのはジャパンツアーの初日、急遽決まった追加公演。関西をなめたらあかんですよ^^ ドームでのライブは苦手だけど(ステージが遠いというより音の面で)、ポールクラスとなるとまあ仕方ないんでしょうね。

年齢層は50歳代くらい?が多かったような。ビートルズリアルタイムな世代から、僕くらいまで、まあ見事に高年齢。



ライブは大方の予想通り、「Eight Days a Week」でスタート。ソロ曲を挟みつつ、ビートルズナンバーががんがん出てくる。もうソロもビートルズも関係ないって感じです。
そして凝った演出も変わったシカケも何もなく基本的にストレートなバンドサウンド。しかもMCをはさんでほとんどカウントで始まるというオーソドックスなスタイル。このあたり、キャリアを感じました。

あと、専門的になりますが、モニターが普通のスピーカーなんですよ。しかもメンバー全員。イヤーモニターなしであの広いステージでちゃんとモニターできるんですかね。ステージのそこら中にモニターがあるんだろうけど、それよりもドラムの生音を中心に、「こんな感じで行けてる」というミュージシャン的勘、みたいなのを一番重視してる感じがしました。そりゃPAがまだまだ発展途上だだった50年前からスタジアムでライブやってた人だしなあと思ったり。

ポールの楽器もベースだけでなくエレキ、アコギ、ウクレレ、ピアノまでこちらも何でもあり。サポートメンバーがギター2人なのはなんでだろう?と思ってたんだけど、要はポールがベース以外の楽器になったとき、ギタリストが代わりにベース弾いてるわけですね。ナルホド。
あと改めて思ったのは曲が短いこと。ソロとかで水増ししない潔さを感じました。とにかく終わったら次、終わったら次、という感じで、結局トータル37曲。約3時間。

一番思ったのはこの元気さは一体何なんだということ。休憩ないし、途中で水飲んだりもしないし。それでも全く息切れないし、声出まくってるし、余裕でやり切ってる感じ。3時間立ってるだけのこっちが疲れたりして^^ やっぱり50年も一線でミュージシャンやってるとこうなるのかねえ。すごいわ。



曲は書いたとおり、新旧バラバラ、バラードからアップテンポまでバラバラで(アンコールで「イエスタデイ」のあとに「ヘルタースケルター」やったときはマジでびっくりした)、要は起承転結みたいなのが一切ないステージだったんですが、やっぱりビートルズ後期のバラードは珠玉だなあと思いましたね。「Let it be」なんてそれこそ何度聴いたか分からない曲ですが、思わず涙出てきたし。これは一体何なんでしょうか。

一番印象に残った曲は「ジョージのために」と言って歌った「サムシング」。これも何度も聴いた曲だけど、改めていい曲だなあって。ポールも「いい曲をありがとう」って言ってました。

「Blackbird」も良かったですね。その紹介でポールが短く「60年代にはアメリカで公民権運動というのがあってね、それを歌にしてみたんだ」みたいなことを言っていて、こういう思い出話を聞くと急におじいちゃんに思えるから不思議でした。

また、日本ツアーの前に新譜「New」が発表されたので、ここからの曲が3曲披露されましたがどれもいい曲でした。基本セットリストは変わらないけど、この新譜の分少し変更されています。削られた「Your mother should know」は聴きたかったけど。



ということで、総評としてはとても良かった。まっすぐでシンシアで。
ポールというとどうしてもジョンと比べられるけど、全く違う才能だし、ポールはやはりロックとかポップとかという文脈じゃなくて「ド正面から聴いて、誰もがいいと思える作品」を作る天才なのだと改めて思った。所謂メロディメーカーっちゅうやつですね。

ミュージシャンにありがちな、斜め上から見たり、スカしたり、かっこつけたり、トリッキーな表現をしてみたり、そういう文脈から遠い人。それってすごいことなんだと思います。

なんとなく、帰る道すがら、僕も細々ながら音楽を続けてきて良かったな、と思ったのでした。

Thank You!!

次のアルバムへの習作(6)

またしても少しサイトのデザイン変えました。たいしてコンテンツないのにどうなんだって感じですが、まあ飽きっぽいんで。

しかも意味もなくレスポンシブ(画面解像度ごとにデザインが変化する技術)対応。試しにブラウザの右下をつかんで画面を小さくしてみてください。変わっていくでしょ?

今回もWord Pressで、Minimal WPさんのテーマを使わせてもらっていますが、やっぱりセンスいいですね。Word Pressってデフォルトのままで行くと日本語表示が汚くなるのが難しいところなんですが、そこを上手く調整されてるなと。MacとWindowsでもほぼ見かけが変わらないのもいい。

デザインされているのは恐らく女性だと思うんですが、非常に柔らかい女性的な世界観をゴツゴツしたITの文脈に落とせる、というのが僕は凄いなあと思うんです。今、O2O(オンラインtoオフライン)というマーケティングが流行っていますが、逆の考え方ですよね。すごくアナログでオフな感覚をオンラインに持ってくるという。素敵です。

閑話休題、また少しアルバムの話を。
以前考えてた曲から3曲ボツにし、新たにまた曲を書き足しています。ボツにしたのは京都テイストなやつ。京都をイメージして作ったものというのはそれなりに思い入れはあるんですけど、描いている世界観の角度が違うんですよね。何か違和感があって。といっても誰も分からないと思いますが。

今回はもっともっと日常。どちらかというと日常から目を背けるタイプなのでこのコンセプトはキツイわ~w。

てなことで最近書いた2曲を紹介します。

●Two Tails Dreamin’
ずばり今飼っている猫を題材にしたものです。うちの家には庭はないですが、2匹が庭で仲良く遊ぶ夢を見ている、みたいなイメージ。できるだけかわいくしたかったので鼓笛隊みたいなリズムパターンを入れてます。あと、実際の猫の鳴き声のサンプルも。

●Fortunately
これは何というかサティですね^^ なんとなくぽろんぽろんとピアノを弾いていて録音したフレーズがあって、ある日聴いてみたらけっこう今の心象にぐっと来まして。それで次の日自転車に乗っていたら、Bメロの部分が浮かんだので慌ててiPhoneに録音して、みたいな感じで完成しました。

あと1~2曲は書く感じです。いい加減ストレス溜まってきて、ギターをかき鳴らしたい気分ではありますが、もう少しがんばります。

次のアルバムのお話

Viv does XPRO Fujichrome (tungsten) T64_3010531594_mえーっと、若干開いちゃいました。その間、ベトナム行ったり、地蔵盆があったりしたのですが、あまりまとめる気にならず・・・

ひとまず音楽の話。次で3作目となるアルバムの構想が固まってきました。

以前にも書いた通り、明るく、聴きやすく、とてもあっさり。そういう意味で反骨精神とか、逃避とか、ニッチに、とかそういうベクトルは微塵もありませんw

タイトルは「Kataku」としてますが、仏教用語です。漢字で書くと「火宅」。辞書によると

「仏語。煩悩(ぼんのう)や苦しみに満ちたこの世を、火炎に包まれた家にたとえた語。法華経の譬喩品(ひゆぼん)に説く。現世。娑婆(しゃば)。」

だそうです。何やら物騒ですが「この世」のこと。

確かにまあ日々しんどいこともたくさんあるけど、私たちはまだ朝の光や、まどろむ昼や、静かな夜や、季節の変わり目や、花々の美しさや、思い出の切なさとかに浸ることができる。何気ないけど、それってすごく貴重な気がしません? こんなことを思うのも歳のせいかもだけど。

なので前作と真逆の世界でしょう。前のは本当に退院直後の心理状態が良く出てると思います。ちょっと向こう側に行きかけてますよね。今回はこんな普通な作品になるとは思いもしなかった、というのが正直なところ。健康ってことかしらね。

でも新たに聴いてもらってる方に評価いただいたり、今回は前作よりも海外からいろいろ意見が来たりするので、まあやって損はないだろうと。

作り方としては前作と変わらないです。自宅でPCにちくちく打ち込んでいく感じで。
ただ、今回はピアノ(音源)を主体にしてることもあって、テンポを変えたり揺らしたり、強弱を微妙に調整したりとかいう、編集にやたらに時間がかかります。生で録れよ、って話ですね。しかしそこまで制作費ないです^^

今、アートワークをどうしようか悩んでます。個々ははっきりしたイメージがあるんだけど、全体としてみると少しぼんやりするというか。なんとなく明るくミニマルなのかなとは思ってますが。

曲はまだ少し書き足すんですけど、世界観としてはこんな感じ。まだデモ版ですが、良ければ聴いて下さい。リリースは年末頃を予定。

京都のお盆 〜六道まいり〜

SONY DSC

8月ですね。

8月の京都はなんとなく全体にお盆ムードで、イコール休みモードなのか、なんとなく周囲の動きもゆっくりします。
夏の京都はとにかく暑いことで有名ですが、僕はこの暑さが割と好きで、どうしてだろうとずっと思ってたんですけど、お盆の持つスピリチュアルな雰囲気なんじゃないかと改めて思いました。バリの持つ空気に近いんじゃないでしょうか。

SONY DSC8月の京都の行事の中で一番好きなのが東山区の「六道まいり」。
「六道珍皇寺」というお寺の行事ですが、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という先祖の霊を迎える行事です。そして「大文字」で迎え入れた霊を送り出すわけです。

この六道珍皇寺というお寺のあたりは「鳥辺野」という平安時代の葬送地。かつては風葬(要は埋めない)ですから、恐らく死体がゴロゴロしていた場所なんでしょうね。なんで「鳥辺」かというと死体を鳥に食わせる、というところから来ているらしい。ひぃ~。

SONY DSCしたがって「あの世に通じる場所」とも言われるようになったようです。今でもこのあたりは墓地がたくさんありますし、仏教の信仰が篤い場所でもあります。
なので、霊感の強い人がこのあたりに行くとちょっとやばい感じがするらしい。横尾忠則もそんなこと言ってたような。

このお寺には一般公開されていない井戸がありまして、小野篁という平安貴族が夜な夜なこの井戸に入って冥界へ行き、閻魔王庁で裁判を手伝っていたという話が伝わっています。まあそれは嘘としても、かなり霊感に充ち満ちたやばい人物だったんでしょう。 ということでこのお寺には小野さんの像と閻魔大王の像が並んで安置されてます。

あと、「子育飴」という謎のアメが売っていたりしますが、この言われもかなりダークなので、興味ある方はこちらをどうぞ

昨年、久しぶりに六道まいりに行って、その印象を元に曲を書いたので良かったら聴いて下さい。

ちなみに六道というのは仏教で言う現世後の世界。地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天人道とあるらしいですが、最後ふたつを除きどれも辛そうです。そういえば子どもの頃、悪さをすると餓鬼道に落ちるよ、と坊さんに脅された記憶が。

ということで六道まいり、興味ある方はぜひ行ってみてください。8月7日(水)~10日(土)まで。


大きな地図で見る

次のアルバムへの習作(5)

Logic pro 9_4612395663_mLogic Proが9からXにメジャーアップデートしましたね。基本的な操作性や音質は変わっていないようなので、僕にとってはまだ必要ないかな。それより制作方法が変わったり、不具合が起こったりの方が恐ろしい。

不具合といえば僕の環境では最近重い音源を使うせいか、やたらとCPUがオーバーロードしてデジタルノイズが出ていて、音源をマルチティンバーにしたりいろいろやってたんですけど結果は同じ。いろいろ解決法を探していると簡単な解決法を発見。

要はCPUの負荷を分散させるという技。再生中にCPUメータがレッドゾーンに入る場合、選択しているトラックをオーディオトラックにすると、他のコアに負荷が分散されるというだけの話です。同じ症状で悩んでる人は試してみるとよいかも。詳しくは以下のtipsを参照ください。

Logic Pro/Express:マルチコアのパフォーマンスを最大限に引き出すヒント

ちなみに、Logicというのは音楽制作ソフトでして、僕はVer7から使っています。以前のエントリーで制作がPCに移って楽になったと書きましたが、こういう音楽と関係のない技術面での悩みがつきまとうのがしんどい部分です。こういうので悩んでる時間って本当に不毛だし、制作が前に進まなくてイライラする。精神的に非常に良くないですね。まあ便利さとのトレードオフというところでしょうか。

てなことで若干専門的になってしまいましたが、今書いている曲の紹介を再び行ってみましょう。一気に行きます。


●Red clouds above

土曜の朝早くに自分の部屋から南の空を見ていて、そこに浮かんでいる雲を見ながら作ったもの。高さ・低さとか、色の薄さ・濃さみたいな対比というか。雲というのは僕にとって現実感の象徴でもありますね。


●Reprise

ずばり反復、というイメージなんですが、ずっと前に商業的に書いた曲が元になってます。流れじゃなくて、ある旋律の固まりだけがごろん、とある感じ。毎日って繰り返しだけど決して美しく調和するものではないよなあとかいう思いから作りました。意図的にビートを変えているのもそのせいです。


●What she meant to say

もともとあった「生活の環境音をループにして、そこに音響を乗せるとどうなるだろう?」というアイデアから生まれたもの。ドアを開けたり、カーテンを閉めたり、水を流したり、っていう数種類の環境音を使っています。なんとなく朝早い、薄暗いイメージ。

そんなことで、あと過去作ったものからコンセプトに合うものをいくつかプラスして、アルバム化しようと思ってます。通したときにやっぱり合わないとか、違うなと思ったものは外してまた何度かやり直しますが、今回としてはなるだけ聞きやすい音にしようと思っています。

良かったら聴いてくださいね~。

次のアルバムへの習作(4)

I wish our happiness would last forever_193680632_lさて、7月ですね。早いな〜。

再び習作にもどります。ちょうど時期なので「七夕」をモチーフにしたものをお送りします。いわゆる僕の中では「京都モノ」に分類されるジャンルですが、アイデアとしては昔からありました。

七夕というのはいろいろ調べるとどうやらルーツみたいなのがあるらしい。それが「乞巧奠(きこうでん)」というもの。

WIKI によると・・・
「陰暦7月7日の行事。女子が手芸・裁縫などの上達を祈ったもの。もと中国の行事で、日本でも奈良時代、宮中の節会(せちえ)としてとり入れられ、在来の棚機女(たなばたつめ)の伝説や祓(はら)えの行事と結びつき、民間にも普及して現在の七夕行事となった。乞巧祭会(きこうさいえ)。きこうでん。」

ということなので、陰暦と言うことはもっと遅い行事だったんですね。
ビジュアルが面白くて、こんな感じです。

125827111462016330482_CIMG0043_20091115164511お供えの中に琴や琵琶が乗っているというのがなんとも詩的で、ここから曲のヒントを得ました。恐らく今、京都の老舗旅館「俵屋」さんでも同様のディスプレイをしているはずです。こういうのがはまるのが京都だなあと思います。

今では単に「星に願いを」の行事になってますが、当時は女子の技術上達の願いだったわけです。当時から女子に技術が必要だ、という発想がきちんとあったというのがいいですね。当然、家庭内でということなんでしょうけど、男には推奨されない技術だったのかな・・・

曲としては作りかけですがこんな感じ。雅楽っぽい弦の上に、琴を乗せる、みたいなイメージ。ぜひ七夕の晩に聴いてみて下さい。

「七月七日は、曇り暮して、夕方は晴れたる空に、月いと明く、星の数も見えたる。(枕草子) 」

 

その後の音楽活動

DSCF0299そしてその後。今思うと20代に比べると30代はいろいろ転換期でした。

なんだろう、上手く言えないけど、今までの路線では突っ走れない感じ。バンドも続けていたけど、なんだか上手くいかないしメンバーも不満そうだし^^ アルバムを作ろうとがんばって曲書いたけど違和感がすごくあって。すでに過去の再生産みたいになってたのかもしれない。

その頃にバリとの再会がありました。久々に行ってみたら(最初に行ったのは26歳のとき)、なんだかすごくしっくり来たんです。それまで僕は南指向なんてなくて、むしろ逆だったですから、ちょっと驚きました。

ガムランのことはもちろん知っていたけど、音楽的な嗜好の範囲ではなかった。エキゾチシズムのひとつではあったけど、自分でやろうとは全く思わなくて。むしろバリ島にある空気感の方が重要で、上手く言えないけど今までと違う空間とか時間の過ごし方を経験したというのかな、そういうのが大きかったと思います。

でもそこでそれまで手をつけなかったガムランベースのインストゥルメンタルをやってみた。今でもその時の感触は思い返せるんですけど、すごくすんなりできて、それが心象にぴたりとはまった。以前のブログに書きましたね。

Lizard’s Dream by Kyoichiro Kawamoto

こんなんとかね。

そこで「これで歌やらなくてすむ」って思ったんです。同時にロックとかポップという縛りが消えて、いわゆる3ピース(ドラム、ベース、ギター)という縛りも消えた。これがけっこう気持ちよかった。

その頃かな、音楽の仕事が来初めて、ローカルのCMとかビデオのBGMとかそんなのでしたけど、やってみるとけっこう面白かったんです。自分以外の目的のために曲を書くってやったことなかったから、最初はできないと思ってたんだけど、割とすんなりできた。自分の世界じゃなくて他人の世界だから、ジャッジが楽なせいかもしれない。ダメだったらダメ、OKだったらOK、それだけだから悩みがない。

これは山科にある某ケーキ屋さんのCMのために書いた曲。歌ってくれたのは成瀬友子ちゃんっていうディレクターの紹介で知り合ったボーカリスト。

From the Rhone River by Kyoichiro Kawamoto

そんなことで、作品としてはヒーリング的なインストゥルメンタルに、その対極で商業音楽がある、みたいなそんな感じの世界に変わっていきました。バンド的な音楽というのはいつの間にか消えていきましたね。もともとバンドって僕にとって「再生装置にすぎない」という、バンドやってる人からしたら激怒されそうな認識でしかないから、なくなっても全然平気でした。

制作環境が完全にコンピュータベースに移行したのも大きいです。音質が上がったのも良かったですが、とにかく便利になった。特に商業音楽だと尺があるでしょう、それにコンマ1秒で合わさないといけない。そしてそれをmp3で書き出してすぐディレクターにメールで送らないといけない。音量のノーマライズも当然。そんなの普通のレコーダだったらめちゃくちゃ手間ですよ。

各楽器の音も良くなって、やろうと思えば何トラックでも重ねられるし、ボーカルやよほどリアルな生音が必要でなければコンピュータだけで済んでしまう。昔からひとりでやって来た身にとってはようやく理想的な環境になったということですね。
ということでますます人から遠ざかり・・・というのがデメリットですが^^

そんなこんなで音楽業界も全体の売り上げが落ちて行くと同時に、インディーズによる配信というのが楽になってきて、僕みたいなやり方をしている人でも簡単にCDなりデータを売れるようになった。

このあたりでアルバムを作って売ってはどうか、という発想に行き着き、今に至るわけですが、配信のお話はまた次回にでも。

20代のころの音楽活動

SONY DSCバンド活動もやりながら作曲活動をやり始めたのがちょうど20歳頃です。

アルバイトで貯めたお金で、機材一式を買いに行ったんです。でも今みたいにコンピュータを買う訳じゃなく、単純にテープレコーダとその周辺機器を買いに行っただけ。まだまだアナログな時代です。

特にメインとなるレコーダがこの頃はまだカセットテープなんです。もちろん音質の良いオープンリールレコーダというのもありましたが、どちらかというと業務用で、恐ろしく高かった。MDのレコーダの登場はそこから数年先のことだし、そういう意味でカセットは長かったですよ。録音媒体としては10歳くらいから使っているわけだから、20年くらいは使ったメディアになるのかな。

マイクもプリアンプもミキサーも今みたいに音のいいのはなくて、どちらかというとアマチュア用とプロ用がはっきりしていたのだと思います。アマチュア用のは安いけどやっぱりどこまでもプア。でもプロ用になるとすべてが高くなるんですね。ケーブルの規格も違うし、アンプ、ミキサーなんかも設計自体が違うから値段が全然釣り合わない。

今、そういう差が本当になくなってきてるでしょう。物理的な部分が平準化してしまった。この数年、「え、こんないい音が鳴るんだ」っていうその連続でしたから。

だから音質面とか技術面でのストレスは本当になくなりました。若いミュージシャンは違うだろうけど、僕らくらいの世代の人は本当に思うんじゃないかな。「一体あの苦労は何だったんだ」と。

てなことで買ったのは以下。
・マルチトラックレコーダー(ヤマハCMX)
・8chミキサー
・マイク(シュアのダイナミック)
・エフェクター(ヤマハのリバーブ)
・モニタースピーカー

それと楽器とした買ったのがKORGのM1というキーボードと、RolandのTR-626というドラムマシン、それからフェンダーのストラトキャスター。ちなみにM1というのはこういうキーボードです。

ワークステーションという「何でも入り」デジタルキーボードの走りで、シーケンサーが付いていて、ちゃんと打ち込みを覚えたのもこの機種。もうボタンが効かなくなるくらい使い倒しました。

それまでアナログシンセでしたから、ベース、ピアノ、ストリングス、効果音・・・もういろいろな音が出せて本当に嬉しかった。音がいいとか悪いじゃなくて「いろんな音が実用的に出る」その感激につきます。そう思うとシンセサイザーの進化が一番早かったということかな。今では逆にアナログシンセに逆行していってますけど。

これにさっきのドラムマシンを同期させてドラム、ベース、キーボードをレコーダに録音し、残ったチャンネルにギターとボーカルを入れる、というのが当時のスタイル。何しろレコーダは4chですから、入れられる音に物理的限界があるのがしんどかった。コーラス入れようにもチャンネルないからそこだけギター抜いたりしてね。

それで相変わらずバンドをやりつつ、自分でオリジナル曲をつくり全部自分で録音してアルバムを作っていきました。その1作目はあまりよく覚えていませんが、当時David SylvianやKate Bush、Cocteau Twinsとかそういうのばっかり聴いてましたから、もわ~んと薄暗いブリティッシュな音楽だったと思います(恐くて聴き直せないw)。

それから京大の「吉田音楽製作所」というサークルに入り、スタイルをいろいろ模索しつつ、音楽を作っていった、という感じですね。大学を卒業してからはコピーバンドもやらなくなって、バンドは自分のオリジナル曲を演奏するバンドだけという感じになりました。卒業後はロックばっかり聴くようになったこともあって、最終的には割とロックよりの音楽になっていきました。

そんな感じでやりつつも、なんとなくやってきた音楽に閉塞感を感じつつ20代が終わるのでした。

その頃やっていた曲で印象に残っているのはこの曲。7/8拍子というところですでにロックに対峙しようとしてないですね。。。

10代のころの音楽活動

SONY DSC僕が音楽を始めたのは14歳のとき。

クラスに野球部のエースがいましてね。その上男前でギターが弾けるという、もうなんというか今でいう福山雅治ばりに無敵な奴だったんですけど、そいつが放課後、音楽準備室でギターを弾いてたんですね。それがもうめちゃくちゃ格好良くて。

それで僕もやってみようと(安易だなあ)。ちょうど親戚のおじさんがアコースティックギターを持っていて、あんまり弾いてない感じだったので譲ってくれといったら譲ってくれて、弾き始めたのが最初です。

1年くらい弾いてたら、大概の歌の伴奏くらいはできるようになって、今思うと恐らくその野球部のエースよりは上手くなってたんでしょう、ある日突然、僕のクラスにヤンキーが来て彼らが組んでいるバンドに誘われたんです。文化祭に出たいけど、ちゃんとギター弾けるやつがいないとかで・・・

よりによって僕をよく探したなあと思いますね。どこかでギターを弾いてたんだろうか?

何やらエレキでやりたかったらしく、「エレキなんて持ってないよ」というとバンマスの子が確か黒のレスポールを貸してくれた。まさかギブソンじゃなかったと思うけど、それが初めて弾いたエレキギター。

それで放課後に音楽室を借りて練習して中学3年の時に文化祭でライブをやったのが初のライブ体験。場所は地元の公民館。曲は何やったのかなあ。全然覚えてない。

でも僕はその頃、すでに流行っていたYMOとかエレクトロニックなものを聴いていて、楽器への興味は必然的にシンセサイザーに移っていて、ギターをあんまり弾かなくなってしまった。でもシンセなんてまわりに持ってる人いないし、値段もすんごく高くって、仕方なく楽器屋さんに行っておそるおそる弾いてました。それで高校生になって、親に頼み込んで買ってもらったのがローランドのJUNO-106というシンセサイザー。

いわば廉価版みたいなモデルで、オシレータという音の元になる発信器がひとつしか搭載されてなくて(通常は2つ以上あるよね)、非常にショボイ音でした。でも当時はそういうもんだと思ってました。でも今ではビンテージ機材としてテクノ系の人に使われているようですが。。。
実機はどこにあるのかな、、、たぶん高校卒業後にやってたバンドのバンマスの家。まだ残しといてくれてるのかな。

それから18歳でバンドに誘われて、その時に手に入れたのがコルグのPOLY-800というシンセ。

これもまた非常に情けない音。だけどローランドとは違う独特のくすんだ音が出て、それが気に入ってました。
これとさっきのJUNOでバンドをやってたんですが、ショボイ音だけに、ドラムとかギターの音に負けるんですよね。それでふたつをレイヤーで重ねたり、エフェクターをいろいろ使ったり、工夫してました。だけど、きつかったですよ、バスドラ一発、ギターのコード一発に勝てないですから。未だにアナログシンセが好きじゃないのはそういうトラウマ的体験があるからだと思います。

でもこれに簡単なステップシーケンサーがついてたんです。今思うとこれが曲を作り始めた最初かもしれません。ラジカセに簡単なシーケンスパターンを録音して、それを再生しながら違うラジカセにコードやメロディを弾いて録音したりして。曲作りというか、音で遊ぶ、みたいな感じ。それでもう少し本格的にやりたいなあと思っていたのだろうと思います。

当時、POP/ROCK的な世界で音楽活動するにはバンドやるくらいしかなかったですから、そういう風に一人で録音するというのはとても新鮮だったし、何より他人の音楽をコピーしなくていい、という開放感みたいなのがあったんだろうと。

てなことで、ギターは真剣にやらなくなったけど、ちょこちょこ弾いてはいました。でも全然真剣にやらなくなったので、今でも結局あの中3の文化祭レベル止まりという^^

というのがティーンな音楽活動。なのでまあルーツはギターなんだけど、あまりにも思い入れがなかったんだろうなあ。

てなことで、次回はその後を。

変わったこと、変わらないこと

IMG_0420先日2回続けて、鹿児島にお住まいの学生時代の先輩に会った。

音楽サークルの先輩で、ベーシスト。バンドをやったり、僕の曲の録音に参加してもらったり、それこそ20年前はお世話になった。今や鹿児島の某大学の教授先生である。

先日は僕が行った鹿児島の温泉でごはんを食べ、次の週は彼が京都に学会で来るというので、京都でごはんを食べた。

さすがにまあ外見的にはお互い年を取ったけど、こと音楽の話になると一瞬であの頃に戻る。「きみは坂本龍一の黄土高原を完コピしてたよね」とか全然覚えてない話が出てきたりとか^^

で、学生時代から彼に借りているベースがあったので、それを返したかったので自宅に呼んでしばし話をした。僕自身、ベースは興味なかったけど、当時、手弾きでベースを入れたい曲は自分で弾きたかったので、たぶん使ってないやつ貸してって言ってそのままになっていたんだろう(長いことほんとにすいません)。20年ぶり以上に返却したんだけど、ようやく持ち主に帰ってほんとに嬉しかった。

ちなみにこの先輩はどちらかというとフュージョン系の音楽を愛好する人である。まあ音楽サークルとしてはまっとうというか、当時ではロックの次に多いジャンルだったように思う。

しかし、僕は頑にオリジナル指向で打ち込み系(まあ今と変わってないですね)。今考えるといわゆる軽音系のサークルに入るような指向の持ち主ではなかったわけだけど、当時そういうサークルがなかったし、なんとなくいたのだと思う。

そしてなんとなく「オリジナルでフュージョンを作ろう」ということになった。僕はその時、いくつかデモテープを作り、バンドのメンバーに聴かせて差し替えられるパートは生に差し替えたいから協力してくれって言ったのを覚えている。しかしレコーディング自体煩雑な作業なのに、自分の曲を弾いてもらおうなんて、当時から僕は生意気だったんだねえ^^

当時のアマチュアの技術レベルではまだカセットテープを使った4chの録音が限界。コンデンサマイクもいいプリアンプもなく、カラオケマイクに毛が生えたような音の悪いマイクを立ててひたすらあーでもないこーでもないと何時間もやっていたのを覚えている。

けれどどんな音だったかはちょっと忘れている。でもこの先輩はそのときの録音を今、自分のiPhoneに入れてくれていて、それを聴かせてくれた。20年以上ぶりに聴いた自分の当時の音。これはなんというかじーんときましたね。それを覚えてくれているのはやっぱり当時そういうアプローチで音楽をやっている人間が僕以外でまわりにいなかったからだそうだ。

なんでそんなの持ち歩いてるの?って聞くと、彼は今、音楽サークルの顧問をやっていて、学生に聴かせてみるんだそう。要は今の学生ってそういう指向がなくて、やはりコピーが関の山で3コードでセッションすることさえもないという(大学が違えば違うとは思いますけどね)。なのでたぶん、音楽のやり方としてはこういう方法論もあるんだよ、という例として上げてくれているのだろうなと。そう思うとすごい嬉しかった。

たぶん、これからもやっていくことはそんなに変わらないだろう。けれど、そこにやるべきだと判断できる要素が少しでもあるのなら、それはやっていくべきだとは思った。

今度会うときも、また同じような話をするのだろうな。
それはそれである意味、幸せなことかもしれない。

掃除機をレビューしてみる

さて、本日は打って変わって掃除機の話。たぶん音楽をやってる人間が掃除機をレビューすることはあまりないと思うので、試しにやってみます。

発端はというと、、、昨年、猫を飼い始めてから、トイレの砂や抜け毛が散らばったりで、どうも家がすっきりきれいにならないのでどうにかしたかったのです。

そしてまず初めに導入したのが例のコイツ。ルンバ770。ブラックボディが渋いが、意外とでかくて重い。

iRobot Roomba 自動掃除機 ルンバ 770

今となってはけっこう導入されている方も多いですが、大方のレビュー通り「予想外に使える」という感じです。もう少し正確に言うと「テキトーに動いてるっぽいんだけど、終わるとけっこうきれいになっている」というか。つまり完璧ではないけど、「掃除機をかけた」感じにはなっている、というのが近い。まあ期待値が低いんでしょうな。

デメリットとしては・・・

・前片付けが面倒 (ゴミ箱やラグをどっかによけておくとか、コードとかも巻き込むので注意が必要)
・見てるとストレスたまる (行って欲しいとこに行ってくれないので、けっこうイライラする)
・意外と雑 (行動パターンが行き当たりばったりなので、何度もやるところとスルーするところが出る)
・ダストカップが小さい (すぐいっぱいになります。1回につき1度メンテが必要)

軍事用ロボットを作っている会社なので、けっこう頑丈で、かなり雑に使っても平気。センサーの効きもいいので段差から落ちることもありません。なのでロボットとしての基本性能は高いんだろうなと。
デメリットに目をつぶれる人であれば買いでしょう。何より留守中仕事してくれるので、共働き世帯とかにはオススメできます。

しかし、角とかスキマとか階段とかソファの上とか、やはりそういうところは掃除できない。てなことでいわゆる掃除機は必要なんですが、僕はこの昔ながらの掃除機ってのがどうも嫌いで。やはりワイヤードであることで、非常に掃除へのモチベーションが下がる。

ということで最近はどうやらコードレス機というのが流行っているらしい。見てみるといろいろあって、ダイソンとかエレクトロラックスとか。なんださっきのルンバも含め全部海外製じゃないか、と思って見てたのだけど、レビューは一長一短。やはりバッテリー駆動で掃除機を動かす、というのはけっこう大変だと。

さらにいろいろ見てみると、やはりコードレスはバッテリーの性能によるらしい。そりゃAC電源がないわけだから当たり前だけど、どうもその点に重きをおいて開発しているメーカーが少ない。ダイソンはそうらしいけど、カタチがガンダムみたいであからさまに奇をてらってるし、異常に高い。エレクトロラックスは逆におしゃれっぽいだけで、そういう肝心な部分の言及がない。

諦めかけたところで、、、あったんですよ。それが日本の工具メーカー、マキタ。
いわゆる「電動ドライバー」みたいな、およそ通常の家庭には常備されていないだろう、プロな工具を作っているメーカーです。音響機器で例えるとティアックとかマッキーみたいなニュアンスかな。何やら新幹線とか建築現場の掃除とかにも使われているらしく、要は業務用ですね。

ということで思い切って購入しました。CL142というモデルで、ちょうど中くらいのモデル。これ以上上だと重いし、下だと性能が落ちるらしい。

マキタ 充電式ハンディクリーナー【掃除機】 makita CL142FDRFW

デザイン的にはまあひどくはないけど、何の面白みもありません。そして写真で見るより小さいです。
メーカーサイトも色気ナシ。ただでさえ「工具メーカー」という感じなのに、掃除機というカテゴリーがない。探すと「バッテリー」のコーナーにあって、そこの「吸う」にカテゴライズされているという。そりゃバッテリー駆動で吸う機械だけどさ。

肝心の性能ですが、すこぶるよろしい。めっちゃ吸う。普通の掃除機なみのパワーだと思います。駆動時間はローモードだと30分くらい。
本体も軽く小さいので、階段であろうとトイレであろうとベランダであろうとどこでも持っていけます。このお気軽感はちょっといいですね。

デメリットとしては小さいので、男性だと少しホースが短いかも。あと、先っちょも小さい(20センチくらい)ので、大きな面積はしんどい。あと、必然的にダストカップも小さいので2~3回に一度はメンテ必です。
充電もバッテリー取り外さないといけないのも若干メンドイかな。充電器もブコツなので大概のインテリアにはマッチしません。

ということで、これもデメリットに目をつぶれる人でコードレスを探している人は買いだと思います。

しかしまあここで著名な日本のエレクトロニクスメーカーが出てこないのが悲しいですね。
ロボットもコードレスもある種、異端なハードウェアかもしれませんが、確実にマーケットはあるわけで、なんでそこに食い込んでいかないのかが不思議です。家電に対する偏見(例えば掃除は奥さんがするものであり、ロボットなんて怠慢以外の何者でもないとか)があったりするのかな。

ひとまず導入を考えている方の参考になれば。